徳山フィヨルドカヤックツアー、お楽しみに。

 

「この角を曲がった先にはどんな景色が待ち受けているのだろう」
こんな気持ちにさせてくれるカヤックフィールドが身近にあったとは。まだ経験の浅い僕ならまだしも、大瀬志郎も同じ気持ちを覚えていた。
峡谷と静寂。人の気配はない。自然がとにかく深く、視界で切り取った景色の一画は、カナダやアラスカと言っても誰も疑わないだろう。まるでフィヨルドである。

広葉樹の森が深く広がるこの地は紅葉も息を呑むほど美しく、ピークより少し遅れてしまったが、それでもその景色は圧巻であった。僕たちは、揖斐川上流にある徳山ダムにいた。

徳山ダムは通常、一般人の立ち入りが禁止されている。国によってつくられたダム湖であるが故に、この地には大自然が残っていたのだ。なんでもクマが湖を普通に泳いでいるらしい。
今回は合同会社HCO代表小野さんに話を頂き、徳山ダムを漕ぐ機会を得た。

徳山ダムの歴史については、気になった人は調べてもらえればいいと思うが、湖底には40年前に廃村になった徳山村が沈む。かつて1500人が暮らしていた。つまり僕たちが漕いでいるこの場所は当時は空中で、上陸した場所は山の中腹ということになる。湖面に立ち並ぶ、枯れた杉の木がそれを実感させるのだ。

深い自然と巨大な人工物。そして徳山村の歴史。なんとも不思議な空気に包まれた場所ですが、カヤックフィールドとしての素晴らしさはグランストリームが保証します。
来年11月、徳山ダムにて紅葉ツアーを行う予定です。新緑の季節も綺麗だということで、新緑シーズンにもツアーを組むかもしれません。徳山フィヨルドカヤックツアー、お楽しみに。

(泰志)

*文中でも記しましたが、徳山湖に入るには特別な許可が必要です。