夜の琵琶湖を渡る


(出艇の準備を進める夏の琵琶湖の夕暮れ)4名の参加者とともに、夜の琵琶湖を渡ってきました。
7月31日の日没は19時1分
8月1日の日の出は、5時4分

41.9%
12:53
23:45

月齢22.1

夕方のうちに出艇の準備をしておき、各自、テント、車で仮眠をとります。1時AMに起床し、準備。1時半頃、漕ぎ出しました。

目の前の空を下弦の月が登って行きます。意外に月が明るいので、星はあまり見えません。風も波もなく、湖面は穏やか。通常なら、夜の琵琶湖は涼しくなるのにこの日は、少しムワッとしてました。夜の水上を漕ぐと、普段いかに視覚でバランスをとっているかが分かります。バランスに気をつけてこぎ進みます。夜は普段よりスピード感もあります。休憩を多めに取りつつ、夜の湖面をこぎ進みます。

目的地は長浜。対岸の長浜の街の灯りを目標にします。周りの参加者たちには、誰が何処にいるかわかるように各カヤックに色別にライトをつけてもらっています。そのライトの明るさや、夜、操業する船に自分たちの存在を気づいてもらうようの灯りとライティングには気を使います。それは今まで、何度も海や琵琶湖を渡ってきたノウハウの蓄積にあります。

4時、夜明けの1時間ほど前から、東の空が白々と明るくなってきます。今まで闇の中にいたのが嘘のように、一気にあたりは明るくなっていきます。それまで出ていた星たちも明るくなった空に溶け込んで、最後には消えてしまいます。僕的には、日の出の瞬間より日の出の30分前の空が美しく、好きです。

太陽が姿をあらわすと、太陽の熱に熱されて、軽く大気が動き出します。その頃、眠気も最高潮です。そしてその後、無事に目的地の長浜に着くことができました。

〜何故、夜に漕ぐのか?

夏は夜の方が涼しいというのもありますが、沖縄から八重山諸島への島渡りをしていた時、風が安定する夜の航海を選択していました。夜の外洋というのは安定していて、しかも日照のある夕方に出発して、日照のある朝に上陸できるというメリットがありました。この渡りをやっていたのが、季節が秋で日照時間が短かったので、どうしても出発か到着が日照がない時間帯になってしまう、そして初めて訪れる珊瑚礁の海は、珊瑚礁が見えていないと乗り上げてしまい非常に危険であることが夜の渡りを選んだ理由でした。そして何よりも外洋で迎える朝日は素晴らしく美しいという話を当店ユーザーにしていたら、是非、企画にしてほしいということから始まりました。カヤックのツーリングでは、夕刻の上陸が遅れ、漕いでいたら暗くなってしまったということもたまにあります。一度、闇夜を漕いでおけば、そんな時も慌てずに済むかと思います。まあ気が向いたら、またリクエストしてみてください。今回、参加者の皆さん、リスクスト&ご参加ありがとうございました。