2023年 Granstreamの方向性 次の10年に向けて 〜 Belong to water 〜


photo by Makoto Yamada
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2023年 Granstreamの方向性 次の10年に向けて

皆さん、あけましておめでとうございます。昨年中も当店をご愛顧頂きありがとうございました。本年も宜しくお願いいたします。

自分がカヤックを漕いで旅をしまくりたいというライフスタイルを実現するために立ち上げたグランストリームですが、昨年でおかげさまで20周年を迎えることが出来ました。日々琵琶湖を漕ぎ、日本海や瀬戸内海を主に北海道から沖縄までの日本全国の海、海外はカナダ(BC州)を漕いで旅してきました。おおよそ月に200km漕いだとして、1年間で2400km、20年で48000km、赤道が4万75kmなので、少なめに見積もっても、地球1周は漕いだかなあと思います。

「そんなにカヤックばっかり漕いでて飽きないの?」と聞かれることがありますが、いまだに飽きていません。飽きていないと言うよりはもうすでに、ご飯を食べたり、息をするのと同じ扱いとなっていて、この先、漕ぐことのない人生というものを想定することが出来ません。そんな風に「カヤックを漕ぐ」という行為が僕の身体と頭の中を大きく占めてしまっています。それは今後も変わことはないでしょう。


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7月の奄美大島の加計呂麻1周ツアー終了時に20周年お祝いのシャンパンを頂き打ち上げ。伊東画伯とヤドリ浜イソシギにて。

2022年もユーザーの皆さんたちと琵琶湖をベースに日本の海を漕ぎました。春は瀬戸内海、しまなみ海道に始まり、6月には津軽海峡を横断し、青森の竜飛岬から北海道へ渡り、函館まで漕ぎました。7月には恒例の奄美大島、加計呂麻島を1周、夏は若狭湾、秋はまた奄美大島、そして瀬戸内海、しまなみ海道を漕ぎカヤックで旅しました。フォールディングカヤックユーザー対象のカヤック旅のワークショップスタイルのツアーは全国各地にて引き続き継続していきます。


photo by Shiro Ose
2022年は多くの方々(遠く北海道から!)に奥琵琶湖プライベートレッスンをご利用いただきました。今年も奥琵琶湖 海津でのカヤック プライベートレッスンは行います。今年も琵琶湖のヘッドウォーター「海津」で皆さんにカヤックの楽しさを伝えていきたいと思います。


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2022年6月 津軽海峡横断ツアー、対岸は北海道。海流に乗り、岬から岬まで4時間で渡れました。久しぶりにシビアに海に向き合い切ったツアーでした。こちらについても詳細をそのうちレポートします。このような渡りのワークショップ形式のツアーも今後継続していきます。


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渡りを終えた直後の津軽海峡横断メンバー。この写真は北海道新聞でも使われました。逆光ですが、皆、誇らしげです。


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奄美大島、加計呂麻島ラウンドツアー 潤さん(ホーボージュン)やチュンチュン(小雀陣二)やマコト(山田まこと)往年のカヤックの旅の仲間たちがサポートしてくれました。参加者の皆さんも各自がパドリングスキル、キャンピングスキルを持つ自立したカヤックの旅人たちです。

今年、2023年度の加計呂麻島ラウンドツアーは、例年の7月ではなく、10月に運営することになりました。こちらについても改めてご案内します。

今年の7月はサバニ(琉球の帆掛け漕ぎ船)での沖縄から奄美大島への島渡りの旅に出かけます。大瀬個人がサバニに取り組み始めて、足掛け5年になります。サバニについては、グランストリームとして皆さんにソフト提供をするに至ってはおりませんが、将来的には皆さんにも体験していただける機会を持てればいいなあと思っております。サバニで得た経験は、島渡りやカヤックでのセーリングへフィードバックしていきますのでご期待ください。ということで7月は1ヶ月、お休み頂きますので宜しくお願いします。


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サバニチーム「ニヌハ」糸満産まれのこのサバニで2023年まずは奄美大島、最終的に北海道を目指します。糸満で「ニヌハ忠」を新造し、3年間トレーニングを続け、帆と櫓を操り、サバニを操船できるようになりました。サバニについてはまたわかりやすくレポートします。


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日本のシーカヤックの師、仲村忠明からサバニについても教えを授かっています。彼から引き継いでいるカヤックやサバニでの外洋島渡りの術(すべ)、海や自然の見る鳥の眼は僕が責任を持って次世代へ受け継いでいきます。


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2007年にカヤックセーリングに出会い、2010年、2012年と三回の旅で九州から西表島まで(屋久島〜奄美、トカラ列島は除く)ダグや仲村さんたちと渡りました。この旅からカヤックを漕ぐだけでなく、場合によっては風を使い海を渡るスキルを身につけることとなりました。そしてサバニの帆やエイク(櫂)の扱いもここで学ぶことになります。その後も琵琶湖や瀬戸内海、奄美大島、沖縄の離島渡りとセーリングの旅を続けてきました。ダグとトライして叶わなかった西表島から台湾への渡りはまだ諦めてはいません。やり残しているトカラ列島もそのうち渡りたいと思っています。カヤックセーリングのワークショップについても今後、運営していきたいと思ってます。


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実はここ3年、裏企画でSUPサーフィンを取り入れておりました。奄美でご縁によりSUPは、オーストラリアのサーフブランドSUNOVA(https://sunovasurfboards.com/en/)ジャパン、ウェットスーツでは、国内最高峰の品質を誇るBWET(https://www.bpd21.com/)と取引に開始していただきました。ろくに波にも乗れなかった僕相手に取引を開始してくれた両社、そして取り次いでくれた奄美の熊崎浩に感謝です。それから3年、なんとか波に乗れるようになってきました。若狭や奄美、宮崎で密かに限られたユーザーに初心者レッスンを行なっています。


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実はサーフィンは茅ヶ崎に住んでいた20代の頃からやってたんですが、カヤックの旅中心のライフスタイルではなかなか上達せず、中途半端なまま50歳手前くらいまで来てしまいまっていました。しかしここへ来てまたサーフィンに取り組むことが出来て嬉しく思います。とはいえサーフィンは基本的にはカヤックの旅のセミシーズンオフにあたる11月〜3月の冬の日本海での活動が基本となります。サーフィンをやったり、セーリングをやることで波や風への理解度が増したといえます。シーカヤックツーリングの観点でからみると風や波はどちらかというとマイナス要因に捉えがちなのですが、カヤックを漕ぐ時にも波や風をプラス要因として捉え、利用したり、またはうまくいなしたり出来るようにようになってきました。風をつかみ、流れを読んで漕ぎ、波に乗れれば、エンジンという動力がなくとも海を自由に旅をすることが可能です。


Photo by Shiro Ose
シーカヤックで自然の奥深くに入るには、野営(キャンプ)のスキルが必要となります。カヤックに搭載できるだけの衣食住の装備を積み込み、海を移動できる一番シンプルかつ、ミニマムな乗り物がカヤックです。


Photo by Shiro Ose
テントだけでなくタープをつかこなせるようになると野外生活はより快適なものになります。タープは地形やそこにあるものを利用して張ることが重要です。


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シーカヤックの旅は焚き火がデフォルトとなります。流木を燃やし、火を使いこなせれば燃料を気にすることなく旅が続けられます。焚き火の火は暖をとり、調理するための熱源となり、灯りとなります。火が野外生活の中心となり、基本となります。

ワイルドなカヤックの旅で培ったタープワークや焚き火のスキルはワークショップやツアーにて皆さんにお伝えできればと思っています。


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旅が長くなるほど、自然からの食糧調達も重要なスキルとなります。もちろん Catch and Eeat です。釣りのテクニックも上げていきたいところです。まあ本当にワイルドな場所では、食べる分の魚くらいならこんな道具でも簡単に釣れるんですが…


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僕のシーカヤックやアウトドアスキルのベースはカナダのBC州がルーツとなります。僕の人生の師、フェザークラフト社のファウンダー、ダグラス シンプソン(左)とシーカヤッキングという言葉の海の親、ジョン ダウト(右)と。ジョンとはこの時、一回あったきりです。ダグと一緒にトフィーノ周辺の島の自宅横のキャビンに数泊お世話になりました。


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ダグとは20代前半で出会ってから日本、カナダを共に生活、旅しながら、様々ことを教えてもらいました。カヤックやアウトドアスキルだけでなく、生き方や物の捉え方、生きていく上での考え方を含む人生哲学です。彼にはカヤックやフェザークラフトやその他のことについて、おそらく何千回も問答を繰り返してると思います。僕の英語は彼からも「お前の英語はSUCKだ!」と言われたほど、酷いもの(今も変わらず)でしたが、東洋から来た英語もろくに喋れない若者の問いに辛抱強く答えてくれました。彼から学んだ哲学が僕の人生の骨格となり体幹となっています。

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そしてまた今、大瀬家、長男、タイシがカナダBC州バンクーバーアイランドでシーカヤッキングの修行中です。ダグと漕ぎ、Current Designs ファウンダー ブライアン ヘンリーのショップ Ocean River Sports(https://oceanriver.com/) でスタッフとして働かせてもらいながらガイドの見習いをしています。冬はウィスラーでスキーをしてカナダのアウトドア魂を注入されまくってる様子ですが、楽しすぎるみたいなので日本に帰ってくるかどうかは未定です。

 


Photo by Shiro Ose
グランストリームを立ち上げ、今までの20年間はフェザークラフトカヤックhttps://www.feathercraft.com/)の販売も含めフェザークラフト中心の20年間でした。フェザークラフト社もカヤック本体の生産を中止してから4年が経過しましたが、まだアクセサリーやパーツの生産は継続しています。グランストリームは今後もフェザークラフト社とのパイプを維持し、日本国内のフェザークラフトユーザーのサポートを継続していきます。しかしもう新しく生産されるフェザークラフトカヤックは産まれてはきません。僕自身としては、フェザークラフトカヤックに乗り続け、旅をし続けると思います。しかし今後、グランストリームの中心に位置したフェザークラフトワークは全体の一部分になっていきます。今現在、他社のフォールディングカヤックユーザーもツアーに受け入れを開始していますし、2023年はファイバーグラスのリジッドカヤックの開発にも着手し、販売していく予定です。今まで同様、依頼があれば、カヤックを取り入れた教育機関への講師や企業の人材育成の依頼にも対応していきます。


photo by Makoto Yamada
高階救命器具株式会社のオリジナルブランド Bluestorm /ブルーストーム(https://bluestorm.jp/)とインポートブランド Palm / パーム(https://palmequipment.jp)のカヤックウェアとライフジャケットのテスター&アドバイザーを務めています。Bluestormのドライスーツについては開発にも関わらせてもらってます。アウトドアやカヤックのエクイップメントとは、厳しい状況下で日々繰り返しテストすることでその真価が問われます。命のかかるウェアであり、ギアであるドライスーツの開発に関わらせてもらうことはパドラーとして光栄なことです。また2020年から海上保安庁第八管区海上保安部が認定した安全推進パドラー(https://www.kaiho.mlit.go.jp/08kanku/spp/introduction.html)も務めさせてもらい、海のパドルスポーツの安全の意識の向上に力を入れています。


Photo by Makoto Yamada

次の10年、グランストリームは

フェザークラフトカヤック専門店から、

全ての人を対象に海や自然と人をつなぐ(fitするお手伝いをする)

Ocean Outfitters Company(オーシャンアウトフィッターズカンパニー)

へと変化していきます。

そして 「 Belong to Water 」 が今後のグランストリームのスローガンとなります。

水を意識し、水に馴染み、水のように自在に変化し、水のようにしなやかでパワフルに存在していきたいと思います。そして漕ぐことを中心として、日本そして世界へ、Grand Stream(大きな流れ)を作っていきたいと思っています。日本は美しい水の国です。ぜひパドルを手にして、水の上に浮いてみてください。日本という国も悪くないなと思えますよ。


Photo by Shiro Ose
もしグランストリームやカヤックの世界に興味があれば、まずは奥琵琶湖カヤックプライベートレッスンからカヤックの旅の世界へご案内します。自然、文化が調和した水の街、奥琵琶湖「海津」でお待ちしております。


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そして20年間、ご愛顧頂きありがとうございます。この先も共に漕ぎ続けましょう!